「おいもをどうぞ」

「WE ARE 中学部~こころはひとつ~」 

                           小学部  青柳 弓子

                                    

 毎年夏休みの間に、今年はどんな内容にしようかなと考えながら、学習発表会の係りが、図書館や本屋さんめぐりをします。紙芝居や児童用ミュージカル。小学校などの発表会用劇集などを見てまわり、今年決まったのは、可愛い動物たちが主役の「おいもをどうぞ」でした。一生懸命いもほりをしたあとに、友達にも分けてあげよう!と順々に訪ねていき、最後はまた、始めにおいもを掘った動物さんが、最後においもをもらうという、何ともほのぼのとしたお話しです。
 『友達っていいね』『みんなで食べるとおいしいね』etcいろいろなメッセージが込められていました。
 このお話しでなくてはならない大切なシーンが「おいもほり」の場面。「うんとこしょ、どっこいしょ」の歌に合わせていものツルを引っ張る動きを、子どもたちは何度も練習しました。学年ごとに、タフロープで作ったツルを引っ張る姿は、何とも可愛くて、日に日に動きもそろって上手になり、担任一同感激でした。最後の場面で全員で歌った「おいもをどうぞ」のオリジナル曲は、「みんなだいすき」というタイトルで、みんなで歌詞やメロディを覚えて練習を重ね、大きな声で歌えるようになりました。当日は、ステージからの声とともに、前もって録音したみんなの元気な歌声が届いたことと思います。音楽の時間に学習していた「まるまるもりもり」はゆっくりテンポでみんなの可愛いダンスに大きな拍手をもらいました。
それぞれの動物グループで考えた出し物は、アンパンマンの体操、ピザの絵合わせパズル、ホットケーキ作り、楽器演奏と、子どもたちの日頃の学習の成果やがんばりをお見せすることができたと思います。1年生の体操は、朝の運動の最後に行う「サンサン体操」で、毎日の積み重ねで一つ一つの動きを覚え、上手になった姿を披露することができました。2年生のパズルは、四等分した丸を形をよく見て組み合わせ、一枚のピザにするというもの。直角の部分を合わせていく作業は難しかったことと思いますが、自分が貼る場所を覚え、きちんと揃えて一つの丸い形を完成させることができるようになり、たくさんの拍手をもらいました。1、2年生合同のタンバリンのリズム打ちは、音楽の時間に学習した「パイナップルダンス」という曲です。曲に合わせて叩くのがとても上手になり学習発表会での披露となりました。3、5年生のホットケーキ作りは、アイディアいっぱいで、粉や牛乳を入れたり、かき混ぜたりする仕草や大きな大きなホットケーキをヨッコラショと見事にひっくり返したり、一枚ずつ積み重ねていく姿の可愛さに交流学習発表会でもたくさんの拍手をもらいました。そして最後の六年生による「たぬきのたいこ」の合奏は、リズム感が人一倍求められる小太鼓とそれぞれのパートのメロディを交互にしっかり弾かなければならないピアニカという二つの楽器で見事な演奏を披露してくれました。さすが六年生と、拍手喝采でした。最後に、舞台に立って参加することはできませんでしたが。四年生による可愛いナレーションは、「おいもをどうぞ」の劇をますます盛り上げてくれました。およそ1ヶ月に渡るステージ練習を頑張り抜いた子どもたちです。本番当日は、一人ひとりが精一杯の力を出し切って演技することができました。
 この1ヶ月間、子どもたちを暖かく見守って応援してくださった保護者の皆様に心からお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

                                                      中学部  岡田 律子   

 今年の中学部は、歌と合奏に加え、初めてダンスにチャレンジしました。思春期を迎える生徒たちの中には、好きな女の子がいてそわそわしたり、ダンスなんて恥ずかしいと思ったりする生徒がいました。そこで、「かっこいい音楽とダンスパフォーマンス」を、DVDで視聴することから始めました。最初に見せたのは、エグザイルの「チューチュートレイン」でした。複数人の生徒が、画面に映るエグザイルのダンスパフォーマンスに釘付けになって見ていました。その様子を見たときに、生徒がかっこいいと思えるダンスであればみんなで盛り上がることができるかもしれないと思いました。そこで、みんなが盛り上がって踊れるダンス曲を準備し、音楽の時間に練習しました。簡単な振り付けだったので、生徒も教師も一緒に盛り上がって踊るようになりました。
 次に合奏の曲の選曲ですが、中学生なのでリコーダーを使った曲にしようと思い、「コンドルは飛んでいく」にしました。コンドルが飛んでいる映像を生徒に見せた時、2年生のK君が、「先生、僕、コンドル好き」と、言いました。コンドルが悠々と飛んでいる姿に感動した生徒もいました。
 数人の生徒に、小学校の時に使用したリコーダーを持ってくるように言うと、「僕はリコーダーは苦手です」と、I君からいきなり抵抗されました。それで苦手なことの不安を軽くし、できたという成功体験にするために、生徒の実態に応じて、リコーダーにシールをはり、正しく吹くことができるように工夫しました。初めは、うまく息を吹き込むことができなかった生徒も息を長く吹く練習を繰り返した結果、きれいな音が出せるようになりました。自信がついてくると、「僕は、2音担当してもいいよ」と言ってきた生徒がいました。また、ベルやウッドブロックの担当の生徒も、教師の指揮に注目できるようになり、音楽に合わせて音を出せるようになりました。また、コンガ、木琴担当の生徒たちは、教師がいなくても、自分達で楽器の準備をして練習ができるようになりました。最初は苦手意識が強かった生徒も練習の成果が見られるようになった頃から、積極的に練習を行えるようになりました。
 次に、「テキーラ」ですが、音楽を聴いているだけで自然に体が揺れてくる曲だったので、客席も一緒に音楽に乗って楽しめるかもしれないと思い選曲しました。曲のイメージを持たせる為に、ある高校の吹奏楽部のDVDを生徒達に見せました。自分達と年齢の近い高校生が色々な楽器でテキーラを演奏している映像を、生徒達は集中して見ていました。そして、2回目に見せたとき、「テキーラ」と、声を出す生徒が出てきました。この曲の雰囲気のせいか、毎回の練習は生徒も教師も楽しくできました。そして、客席を盛り上がる為に「テキーラ隊」メンバーを選抜で結成しました。本番当日、客席からのたくさんの手拍子のおかげでテキーラ隊も最高の演技ができました。
 ナレーションについては、今年は各学年から1名ずつ企画係りをつくり、生徒からの意見を取り入れながら内容を考えました。ダンス、合奏、歌の企画をつなぐナレーションを担当した2名の生徒は毎日ナレーションのBGMを流しながら練習をしました。Mさんは自宅でも練習していたようで、ナレーションの後半の部分は暗記していました。暗記している部分を自信をもって堂々と言っているMさんに客席から大きな拍手が聞こえました。そして、5場面のナレーションを担当したN君は、練習がきつくなってきた頃、目に涙を潤ませました。理由を尋ねると、「上手くできないから悔しい」と話してくれました。学習発表会は歌や合奏の練習の結果を発表する場でもありますが、繰り返しの練習を通して悩んだり、葛藤させる場面を意図的に設定し、心の成長を図る行事でもあります。私は、涙を潤ませたN君に、「悔しいならどうする?」と尋ねました。すると、N君は、「悔しいからがんばる」と言いました。N君からとても嬉しい言葉をもらったので、私も頑張ろうと思いました。 本番の日、生徒達は100点満点の発表を堂々とすることができました。生徒達の一生懸命な姿に今年も感動しました。最後にみんなで歌った「フラワー」の歌詞のように、こんなに頑張っている中学部の生徒たちに、みんなで分かち合える喜びにたくさん出逢えることを願っています。
 保護者の方のご協力のおかげで、生徒達は自信をもって発表を終えることができました。ありがとうございました。

H23、11、6

「白雪姫」

                                      重複学級 松隈 芳光

 白雪姫といえば、童話の中でもとっても有名なお話ですね。
 重複グループでは、今回その「白雪姫」の劇に挑戦することにしました。各クラスの子どもたちは、白雪姫や王子様、小人さんに扮してがんばりました。学習発表会当日は、その様子をたくさんの方々に映画で見ていただきました。子どもたちの表情が良かったね、演技が上手だったねといったお褒めの言葉をたくさんいただきました。ありがとうございました。
 それでは、子どもたちがどのようにがんばったか、その様子を少し報告させていただきます。まず小人さん役の子どもたちからです。自分の得意なことを生かしたシーンを撮影してもらうように子どもたちにお願いしていました。各クラスの子どもたちと先生が相談して、普段の学習を生かしたり、新しいことに挑戦したり、それぞれの役作りに励みました。それはきのこを採りに行く役だったり、歩いて運ぶ役だったり、コックさんになってピザを作る役だったり、お化粧してお買い物に行く役だったり、大工さんや漁師さんの役だったり、電車の運転手さんの役であったり、絵本作家の役だったり、サーカスのスターでバルーンに乗る役だったり、子どもたちの得意なことを生かした役作りができていたと思います。
 次は魔女と対決するシーンです。みんなで視聴覚室に集まって、魔女のまわりを回ったり、近づいたり離れたりして、最後はみんなで魔女を取り囲み、魔女を降参させました。さらに、子どもたちがそれぞれ魔女に立ち向かうシーンでは、スイッチを押して犬を動かしたり、ヌンチャクを振り回したり、きのこを投げたり、フライパンで戦ったり、魔女の背中をたたいたり、アンパンチをしたり、とっても勇ましい戦いぶりを撮影することができました。王子様の剣がキラリとひかり魔女を降参させたシーンは最高でした。
 白雪姫や王子様の演技もとても迫力がありました。白雪姫がお妃様のけらいに連れて行かれそうになるシーン、王子様がお妃様のけらいに馬乗りになって戦うシーン、白雪姫が毒リンゴを食べて表情がガラリと変わるシーン、クライマックスの王子様と白雪姫のラブシーンなど、見せ場ごとに素敵な表情や演技が撮影できました。
 このような撮影が約3週間続きましたが、子どもたちはしっかりがんばってくれました。映画の中でも、子どもたちのがんばっている姿やいきいきとした表情が見られたと思います。みんなの協力ですばらしい映画を作ることができました。
 保護者の皆様や多くの方々に支えられ、りっぱな発表ができました。ご協力ありがとうございました。これからも重複グループの子どもたちの応援よろしくお願いします。

 

H23、11、6

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